

月に一度の整体通い。
疲れがたまりすぎると、自分ではどうにもならない。
ガチガチに張った肩と背中をほぐしてもらうため、今日もあの整体院を訪れた。
担当は、いつもの男性整体師。
40代前半くらいで、清潔感があって落ち着いた雰囲気の人。
言葉も丁寧で、下品なことは一切ない──ごく普通の、プロの施術者。
だから今日も、何の緊張もなく施術ベッドにうつ伏せになった。
タオルをかけられて、静かに呼吸を整える。
「じゃあ、肩から背中にかけて触れていきますね」
「お願いします……」
手のひらが、そっと肩に乗る。
少しずつ、ゆっくりと押されていく。
痛くもなく、くすぐったくもない、いつもの気持ちいい圧。
なのに──なぜか今日は、身体の奥が反応していた。
タオル越しに腰に触れられた瞬間。
ぐっ、と少し強めに押されたその圧に、内腿の付け根がピクッと震えた。
(……え? 今、なんで……?)
脚の間が、じんわり熱くなるのを感じた。
彼は何もしていない。ただの施術。それは分かってる。
でも──お尻のすぐ横を通る指先の圧に、身体がゾワゾワと疼き始めていた。
その後も、彼の手は首筋から肩甲骨、背中、そして腰へとゆっくり動いていく。
どこも“普通”の部位。いやらしさなんて微塵もない。
けれど、身体は正直だった。
太ももの内側にかすかにかかった圧。
臀部のすぐ横をなぞるような指の動き。
うつ伏せの状態で軽く押さえられた背中に、ふと感じた重み。
──そこに、男を感じてしまった。
息を殺しながら、自分の身体が反応していることを悟られないように必死だった。
だけど、下着の中はもう明らかに湿っていた。
(うそ……びしょびしょになってる……なんで……)
濡れてるのが自分でもわかる。
ショーツのクロッチ部分に、じわっと染み出す感覚。
焦りと恥ずかしさ、そして抗えないほどの興奮が、頭の中で渦を巻いていた。
彼は、何も気づいていない。
そのことが、逆に私をもっと感じさせた。
「今日はかなり凝ってましたね。ゆっくり休んでください」
施術が終わり、着替えて挨拶を済ませたあと、
私はまっすぐ家に帰った──けれど、もう平常心ではいられなかった。
下着を脱いだ瞬間、クロッチがしっとりと濡れているのを指先で感じた。
(やっぱり……ほんとに、濡れてた……)
誰にも触れられてないのに。
指一本入れられてないのに。
私はもう、我慢の限界だった。
シャワーも浴びずにベッドに倒れ込み、脚を閉じたまま膝を曲げて丸くなる。
そして、そっと指を下着の奥へ滑らせた。
じゅわっと、音がするほど濡れていた。
そこに触れた瞬間、彼の顔が浮かんだ。
──いつも通りの彼。
──何もいやらしいことはしていない。
──でも、私の身体は、彼を“男”として感じてしまっていた。
その妄想は、すぐに形を持ち始めた。
(あのとき、うつ伏せになっていた私の腰に、ふいに彼の手が伸びてきて──)
頭の中で勝手にストーリーが始まる。
(「今日は特別な施術です」と囁かれて、身体を仰向けにされて)
(バスタオルを剥がされて、裸のままベッドに押し倒され──)
(「声、我慢できますか?」)
指先が、濡れたクリトリスをやさしく撫でる。
腰がピクリと跳ねて、太ももが震えた。
彼の手が、私の脚を押さえつけて広げる妄想の中で、
私はそのまま彼に生で挿入されていた。
(「コンドーム、ないけど……入れるよ?」)
(「だめ……なのに……あっ……っ!」)
妄想の中の私は、何度も突かれながら、汗まみれで乱れていた。
グチュグチュと濡れた音が、現実の指先からも響いてくる。
(あっ……そこ、だめ……っ、ああ、もう……っ)
ベッドの上、指だけで達しそうになる身体。
けれど、妄想の中では──彼の熱くて太いモノが、奥まで入り込んでいる。
(「出すよ……中に……」)
(「だめっ、だめなのに……! でも……っ、あああっ……っ」)
腰を突き上げるように達した瞬間、全身がビクンと跳ねた。
白くなる意識の中、私はひとりで果てた。
指を抜くと、びっしょりと濡れていた液が指先に絡んでいた。
息を整えながら、私は天井を見上げて思った。
「……こんなの、ただの妄想なのに」
でも、こんなにも濡れて、乱れて、達してしまったのは──
紛れもなく、あの整体師がきっかけだった。